「手書き」は脳を活性化させたり、記憶に定着させやすいなど独自のメリットがある。デジタル化が進む今尚、アナログな手書きメモにこだわる人も多い。そもそも、絵や図を描写するのはデジタル端末ではまだまだやりにくさもあり、紙とペンをあえて使う人もいるくらいだ。

しかし、紙やペンは消耗品でゴミも発生する。タブレットは充電が必要な上、書き味がイマイチなこともあり発展途上であることが否めなかった。

今回は、そんな問題を一蹴してくれそうなメモツールを紹介する。プラス社から出た「Kaite」だ。消耗品を1つも出さないという優れものだという。実際にAMP編集部の手書き派が使ってみたのでレビューを行いたい。

消耗品ゼロのクリーンノート「Kaite」とは

今回、レビューをする「Kaite」は、一見ただのホワイトボードに見える。しかし実はこの白い版面は磁性シートという特殊な素材で作られているボードだ。シートの中に微細なマイクロカプセルが埋め込まれており、その中に入っている鉄粉がペン先の磁石に吸い寄せられ線が浮かび上がる仕組みとなっている。


PLUS「クリーンノート Kaite(カイテ)」 新たに開発した磁性シートのメカニズム

このメカニズムの開発により、繰り返し使えるのに充電やゴミを一切発生させない「消耗品ゼロ」を実現させた。

実を言うと磁性のメモボードそのものは珍しい物ではない。子供が使ういわゆる”お絵かきボード”もそれに当たるが、部分消しができないという決定的な弱点があった。「Kaite」は新たなメカニズムで部分消しを実現させたのだ。

【使ってみた】アウトプットが捗る新しい書き味

付属のペンは中字と細字の2種類ある。


左が中字タイプで右が細字タイプで書いた文字

中字タイプは極太のボールペンのようなペン先だ。書き味はホワイトボードにボールペンを走らせているような感覚に近い。滑らかなシートの上をペン先がスイスイ運ぶので書きやすい。綺麗で丁寧な字を書こうとするのには向かないが、メモとして使うのであれば別段問題はない。

特筆したいのは、シートにペンを走らせる時の音だ。紙にボールペンで勢いよく線を引いた時を想像して欲しい。「シャーッ」という音が常時聞こえてくるので、「書く」作業が気持ちよくアウトプットが捗る。

細字タイプはペンスタンドのような「ディスク」が付いており、驚くことにこのまま使うのが正しい。

そして、意外と書きやすいことがもっと驚きだ。磁気を帯びているペン先と自分が力を入れている重心がずれているため書きやすさを疑うが、実際にはその誤差はあまり気にならない。とは言え、小さい文字はペン先がディスクに隠れて見えにくく、結果書きにくくなるのが難点ではある。

双方共通して、書くスピードや力の入れ具合で線の強弱が多少左右される。また、時間が経つと消えはしないものの色が薄くなるのが少し気になる。

テキストのアウトプットであれば中字タイプのみで充分だと感じた。

付属のクリーナーは広範囲消せるものと、1文字消しの2種類ある。

広範囲タイプはフェルトのような生地が付いており全面を一気に消すことができる。一度撫でただけでは完全には消えないので2~3度往復させる必要がある。

キャップタイプは小さいので1文字消しに向いているという触れ込みだが、隣の文字も若干消えてしまう。

部分消しを実現できてはいるものの、消す作業に関してはまだ及第点と言えそうだ。

片手で持てる軽さかつわずか3㎜の薄さでそのまま持ち運べることも便利な点だ。PCが入るかばんなら難なく入るし、かさばりもしない。

「Kaite」は頭の中の整理やブレストに使うのがオススメ

ペンがスイスイ運ぶため、一気にアウトプットして整理・分析をするのに適している。頭の中を可視化させることで客観的な視点で見れるようになることはもちろん、タスクの整理もできる。

或いは、アイディアを生み出したい時。文字に書き出す工程も、書いた文字を見ている時も思わぬ発見をする可能性があるだろう。アプリで保存することも可能なため、メモを残しておくことも可能だ。


専用アプリでJPEGまたはPDFで簡単に保存できる

そしてこれは盲点だったのだが、たくさん書いても手があまり疲れない。恐らく、紙より抵抗感が少ないためさほど力が必要ないからだろう。筆圧が強くて手が疲れやすい人は是非一度使ってみて欲しい。

複数人いるシーンであればブレストなど、ひたすら意見を出し合う場面でホワイトボード代わりに活用するのが向いている。しかし、版面が限られているためホワイトボードの下位互換であることは否めない。出先での打ち合わせであれば、手軽に活用できるので重宝するだろう。

無地タイプやA4サイズも

今回はB5サイズの方眼タイプをレビューしたが、サイズはA4もあり、真っ白な無地タイプのラインアップも用意されている。使ってみるとB5サイズはあっという間にシートを埋め尽くしてしまうので、A4のほうがビジネスパーソン向きかもしれない。方眼に関してはあったら便利ではあるが無地でも困らない、という印象だ。


メーカー小売希望価格(税抜) A4サイズ ¥4,200 B5サイズ ¥3,600 PLUS株式会社HPより

今までにない書き味がクセになる逸品だった。手が疲れにくいという思わぬ恩恵も授かれるので、「とにかく一旦頭の中を整理したい」そんな時には手助けしてくれること間違いない。

結論として、「オフィス」に限定して使うメリットはあまり見出せなかったが、「ビジネス」で使うメリットは大いにあると感じた。新たなアイディア創出のために是非「Kaite」みてほしい。

文:清水佑紀