マクロミルの市場調査メディアであるHONOTEは、働き方に関する意識調査」を実施、2019年6月25日にその結果を発表した。

今回の調査では、日本の状況を相対的に考えるために、海外のビジネスパーソンにも同様の調査を実施して比較した。比較対象国は、週52時間労働を上限とするなどの改革が行われている「韓国」と、以前から労働時間法などの法規制があり、労働時間の抑制がなされてきた「ドイツ」である。今回はこの結果の中から抜粋して紹介する。

主なトピックは3つ。

  • 日本のビジネスパーソン、労働時間は9.2時間、睡眠時間は6.4時間。韓国・ドイツに比べて、日本は労働時間がもっとも長く、睡眠時間はもっとも短い
  • もしプライベート時間が増えたら?“したいこと”は、「休息・睡眠」が7割で最多。韓国・ドイツよりも多数
  • “利用したいサービス”は「国内旅行」が49%で最多、「海外旅行」は26%で3位。韓国は「海外旅行」が63%と突出

3カ国中日本は労働時間がもっとも 長く睡眠時間はもっとも短い

ビジネスパーソンは仕事のある日の典型的な1日を、どのような時間配分で過ごしているのだろうか。

特徴的だったのは「仕事」と「睡眠」にかける時間である。「仕事」にかける時間は、日本が9.2時間と3カ国のうちでもっとも長く、韓国は8.8時間、ドイツは8.2時間。

一方、「睡眠」の時間は、ドイツがもっとも長く7.1時間、韓国は6.9時間、日本は6.4時間。日本は労働時間がもっとも長く睡眠時間が最も短い、ドイツは労働時間が最も短く睡眠時間はもっとも長い、ということがわかった。

働き方について、かつてから法規制があったドイツや、改革が進む韓国に比べ、現状の日本はまだ労働時間が長く、睡眠時間も短い状況である。

“まずは休みたい”日本人

今後、もし労働時間が減ってプライベートの時間が創出されたら、その時間に何をしたいと考えているのだろうか。

日本は、「休息・睡眠」を挙げる人が最多で69%だった。他の2カ国よりも多く、“まずは休みたい”という声が多いようだ。

一方で、さまざまな活動ニーズもあった。3~4割の人が挙げたものとして、「家族と過ごす」「友人・恋人と過ごす」、「運動・スポーツ」、「家での娯楽」「外での娯楽」、「勉強・スキルアップ」など。また、労働時間が減るにも関わらず、「副業」と回答した人が36%いて、韓国も32%と似た傾向、ドイツは20%で日本と韓国に比べて低くなっている。

多岐にわたる日本のビジネスパーソンの消費ニーズ

次に、プライベートの時間が増えた場合に“利用したいサービス”を具体的に見ていく。

まずは韓国から見ると、「海外旅行」が63%で突出しており、他にも「国内旅行」、「コンサート・映画・観劇」が50%台、「学習・資格取得」、「趣味のスクール・講座」が40%台と他の2カ国を上回った。日本やドイツに比べ、旅行や娯楽、自己研さんといった分野への消費ニーズが高いようだ。

そして日本を見てみると、「国内旅行」49%が1位で、2位の「コンサート・映画・観劇」と19ポイントの差をつけた。「コンサート・映画・観劇」、「海外旅行」、「資産運用」、「スポーツクラブ」、「テーマパーク・レジャー施設」、「アウトドア活動」、「スポーツ観戦」はそれぞれ20%から30%くらいで分散している。


※調査概要
・調査主体:マクロミルと翔泳社の共同調査
・調査方法:インターネットリサーチ
・調査対象:日本、韓国、ドイツに在住の25~44歳の男女で、企業で正規雇用されている方(マクロミルモニタ会員および提携モニタ)
・割付方法:各国200人を性別×年代(25~34歳・35~44歳)で均等割付/合計600人
・調査時期:2019年4月・実施集計: H.M.マーケティングリサーチ

<出典元>
「働き方改革によってプライベート時間が増えたら?日韓独のビジネスパーソンに調査」
市場調査メディア ホノテ by Macromill