東急建設とTHKは2019年6月4日、現在、共同開発中である建設現場の資機材搬送を自動化するロボットを、2020年春に商用化するための実証実験を行ったと発表した。

作業効率を約30%向上する搬送ロボット

開発中の建設現場用搬送ロボットは、段差や粉じんのある環境で行われる資機材の搬送作業を自動化するための搬送ロボット。プログラミングの知識がない現場作業者でも、搬送経路の設定が素早く簡単にできるTHK独自の自律移動制御システム「SIGNAS」を搭載している。

作業環境に合わせて即座に経路変更が可能で、狭くゆとりのない通路や段差などがある建設環境においても、決められた位置に資機材を搬送できる建設現場用搬送ロボットの共同開発を進めている。この建設現場用搬送ロボットの導入により、作業効率が約30%向上することを目指している。

自律移動制御システム「SIGNAS」は、ロボットに搭載したステレオカメラで経路周辺に設置したサインポストの距離と方位を計測し、目標経路を走行するよう軌道を修正しながら移動する。目標経路は、プログラミングをすることなく、サインポストを設置するだけで設定が可能になる。またサインポストを移動するだけで、素早く簡単に経路を修正することができる。

今回の実験は、都内の大規模マンション工事現場において、建設現場用搬送ロボットが台車に載せた1tの資機材をけん引しながら鉄板の段差を乗り越え、物の配置などの周辺環境が変化しても安定した走行ができることを確認できた。

今後、東急建設とTHKは、建設現場用搬送ロボットの改善を進め、2020年の商用化を目指す。