LINEは2019年2月4日、長崎県教育委員会と情報モラル教育教材「SNSリノート・ながさき」を共同開発し、同日より無償で提供を開始した。

「SNSノート・ながさき」を共同開発し教育の充実に活用

LINEは、2012年より青少年の健全なインターネット利用の啓発活動を行っているという。これらの活動から得た経験・知見を生かしながら、東京都教育委員会と情報モラル教育教材「SNS東京ノート」の共同開発を行い、2017年より都内公立学校において活用をはじめている。

以来、各地の教育委員会と連携し、地域の教育方針や課題、ニーズなどを勘案しながら、教材開発や調査・研究を行ってきた。

一方、長崎県は、これまで情報モラル教育に取り組んでおり、インターネット上でのトラブル防止だけでなく、トラブルに遭ってしまったときの対応なども盛り込んだ「情報モラル指導教材及びトラブル対応マニュアル」を独自開発していた。

しかし、児童・生徒のより主体的な学習や、現在の県の教育方針やSNS利用実態に即したものへの更新を図るため、見直しを望んでいたという。

今回、共同開発した「SNSノート・ながさき」は、「ワークショップ形式」「発達段階にあわせたラインナップ」というSNS東京ノートの特徴を踏襲しながら、県内の児童・生徒のスマートフォンやSNSの利用実態データの引用や、「LINE」のキャラクターを教材中に用いるなど、長崎県向けにアレンジし、県内の情報モラル・情報リテラシーに関する教育の充実に活用していく。

生徒、教員、保護者それぞれに向けた内容に

「児童・生徒向け」として発達段階に応じた教材とすべく、小学生(低学年・中学年・高学年)、中学生、高校生向けの5種類を用意した。児童・生徒たちが普段経験している長崎県ならではの身近な題材や事例をもとに、SNSやインターネットの特性を学べる内容となっている。

特に高校生向けには、県内の小学生から高校生までの携帯電話(スマートフォン含む)所持に関するデータを掲載し、生徒に読み解かせながら、どの学年でどのような内容を教えればいいかを生徒自らが考えられる内容だ。

また、「教職員向け」として、教職員が授業において教材を活用するための「活用の手引き」は、指導案を充実させるほか、県内教育現場からのニーズに応え、県が独自に開発した、インターネットトラブル発生時に学校・保護者・教育委員会・警察が連携し、解決を図るための手法をまとめた「トラブル対応マニュアル」を、最近のトラブル傾向や事業者側の対応、法制度等を踏まえ再構成したという。

「保護者向け」は、家庭内でのルールを考える項目を盛り込み、保護者が子どもと一緒に活用できる教材となっているという。また、スマートフォンを安全に使うための機能紹介など、保護者として子どもをトラブルから守るための具体的な手法なども掲載している。

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