病院に訪れた際の待ち時間は人生でどのくらいになるのだろうか。診察時間などは10分もかからないのに、数時間待った経験のある人も少なくないだろう。

これは患者側にとっては、相当の負担のはずだ。しかし、病院側もこの待ち時間には長年頭を悩ませていた。双方にとってデメリットであるこの時間を短縮するべく、ユニークな決済手段が医療の現場に導入されそうだ。

キャッシュレスで待ち時間ゼロへ医療向け料金後払いシステムが誕生

病院での待ち時間といえば、“診察時”と“会計時”だ。中でも会計は、高額な支払いや土日の退院時に集中して混雑するため、並ばなくてはならないことが往々にしてある。

このような悩みを解消するための医療向け料金後払いサービスが、 グローリー株式会社(以下 グローリー)と株式会社システム情報パートナーにより共同で開発され、東京衛生病院にて運用がスタートした。

グローリーは以前より、医療市場に対して診療費支払機を展開し、会計窓口の混雑緩和問題に取り組んでいた。しかし、完全な後払いシステムの実現には至っていなかった。

今回の後払いシステムの導入により、高額な医療費でもカードの限度額まで支払えるため、希望者は事前に診察券番号やクレジットカードの情報、メールアドレスを登録することで、後払いが可能となった。

後払いを希望した登録者は、会計に並ぶ必要がなくそのまま帰宅することが可能だ。後日、病院側で会計処理後にクレジットカードの決済処理が実行。利用者に支払い完了のメールが通知される仕組みとなっている。

これにより、退院が集中する土日の混雑緩和や入院患者以外も以前よりも早く帰宅することが見込まれている。

病院の混雑解決に新たな可能性。「ポケットクリニック」が病院・患者双方にもたらすものとは

病院の混雑緩和問題は会計処理の段階だけでなく、病院での受付や診察に待つ時間も双方にとって課題として挙げられている。しかし、それも今後は解消される展望がみて取れる。

医療機関向け予約管理システム「メディカル革命」などを提供する株式会社医療予約技術研究所は、医院向けのアプリ開発サービス「ポケットクリニック」の提供を開始している。

このポケットクリニックは、患者の利便性を向上させるだけでなく、電話による予約受付、来院受付、初診の問診など、支払い業務といった医院の負荷になっていた業務を削減することが可能になっている。

具体的には、以下の機能が標準で搭載されている。

  • 患者登録
  • 初回問診
  • 予約&個別問診
  • 受付処理(チェックイン)
  • クレジットカード決済
  • 次回予約
  • 遠隔診療(ビデオチャット)
  • プッシュ通知
  • 医院ホームページ埋め込み

このように登録から決済、次回予約まですべてアプリ上で管理することが可能であり、今後は診療後のケア実現や、ビデオチャットをもちいた遠隔診療なども展開として検討されている。

この「ポケットクリニック」があれば、自宅で診察の予約が可能になるため、病院の長い診察待ちに並ぶ必要も今後はなくなるだろう。患者側・病院側ともに大きなメリットがあるため、非常にWinWinなサービスといえる。

医療現場におけるテクノロジー進展の展望

世の中のさまざまな業務は、現在テクノロジーの進化で解消されてきた。この自動化の流れは、今後もすべての分野で導入されることだろう。病院の待ち時間解消は病院側・患者側双方ともに解決したい大きな課題であった。

それも、テクノロジーの進化により実現し始めている。しかし、病院のIT導入はこれからさらなる進化を遂げるだろう。近い将来病院に行かなくても、診察を受けられる時代が来るかもしれない。

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