航空・船舶といった交通機関の発達はもとより、「多言語サービス」・「仮想通貨」といったテクノロジーにより、人・情報・お金の移動がグローバル化している。

旅行の計画をたてる際には、国内・国外の区別なく、目的地を選ぶ人も多いだろう。

「多言語サービス」により、海外の旅行先の情報も日本語で集めることができる。ホテルや航空券の支払いに「仮想通貨」を利用できる場合もある。そこには、国による言葉や通貨の壁が存在しない。

今回、「横断検索型の旅行提案サービス」である「Tavitt(タビット)」が、新機能実装の資金調達を目的としたICO(イニシャル・コイン・オファリング)を行い、それにともなうTavittcoin(タビットコイン)のトークンセールを実施する。

横断検索型の旅行提案サービス、「Tavitt(タビット)」

「Tavitt(タビット)」は、複数の観光スポットを目的地として選択すると、自動で効率の良い巡回ルートを提案してくれるサービスだ。目的地は、世界中の観光スポットから、10ヶ所まで選択できる。

「行きたい場所」を選択すれば、必要な予算・日数・行き方がすぐに分かる。Tavittは、旅行の計画を行動へ移す「CUE・きっかけ」づくりとなる。

例えば、東京を出発地として、沖縄・香港・タイ・バリ島などを目的地として選択すると、最適ルートと合わせて、総飛行時間:19.7 時間、航空券代合計:99,121円といった、予算と時間が表示される。利用すべきホテル・航空券情報、観光情報まで提供し、旅行を支援する。

一般的なサービスでは、「出発地→目的地」のみの、航空券・ホテル情報検索が可能だ。Tavittでは、複数スポットを周遊する「横断検索サービス」を提供するのが特徴となっている。

Tavittのシステムは、飛行機・船舶・鉄道・バス・自動車(タクシー) など幅広い交通手段を考慮して、複数目的地を最短時間で巡回するルートを算出する。仮想移動時間・実移動時間の概念を導入し、独自のアルゴリズムを適用することで、現実的な時間で最適解を算出することが可能だ。

航空券・ホテルの検索・予約サービスは、「すでに旅行の予定が確定した人」が利用する、と考えられる。Tavittは、検索した目的地の近隣の見所スポット、さまざまな移動手段の提案も行い、「旅行に行くかどうか悩んでいる人」をターゲットとする。決断を促し、予約・売上へとつなげる役割を果たす。

現状、60カ国の基本情報、5,000箇所の観光記事が掲載されている。目的地までの、航空券情報・交通機関情報と所要時間を提供可能。リアルタイムの通貨レート情報、2週間分の天気情報、日の出日の入り時間情報などが実装されている。また、フットボール観戦旅行者をターゲットした、「プレミアリーグ専門メディア」の運営も行っているようだ。

Tavittは、さらなる機能の実装に向けて、ICOによる資金調達のため、トークンセールを行う。

仮想通貨「Tavittcoin(タビットコイン)」によるICO実施と、ウォレット機能の拡充

Tavittでは、今後の展開として、AI(人工知能)を利用して旅行先を決める「Amazing機能」や、外部サイトに設置できる「Tavittボタン」、スポーツを軸とした検索機能、旅行履歴の管理などを実装する予定だ。また、スマートフォン版の実装、多言語化の実装の計画もある。

そこで、資金調達のためにトークンセールを行う。トークン名は「Tavittcoin(タビットコイン)」、コードはTVC、使用するプラットフォームはWavesとEthereum(イーサリアム)、取引所はWavesとなっている。発行総数は、100,000,000TVC。販売価格は、1TVC=0.0001BTC、1TVC=0.001ETH。

保有者には、売上総利益の30%が配当される。また、航空券・ホテルの予約、Tavittが企画するパッケージツアーの決済への利用が予定されている。また、Twitter上でのリツイートにより、トークンが付与されるというAirdropのキャンペーンも実施中だ。

一般的にトークンは、EthereumやNEMといったブロックチェーンのプラットフォームを利用して発行される。中でも、Ethereumのプラットフォームを利用し、ERC20という共通仕様に準拠した発行が増えている。

今回のTavittcoinの発行で特徴的なのは、EthereumとWavesという2つのプラットフォームで同時に発行し、デュアルブロックチェーン化していることだ。

デュアルブロックチェーン化には、いくつかのメリットがある。どちらかのプラットフォームの機能が停止した場合のリスクヘッジがある。一方に技術的問題が発生しても、ブロックチェーンの記録を証明とし、残ったプラットフォームで状態を回復する。

また、Ethereumのスマートコントラクトを利用した決済、Wavesの分散型仮想通貨取引所 (DEX)での取引、と両方の長所を活用が可能になる。そのために、今回、「Tavitt Wallet(タビットウォレット)」がリリースされ、ウォレットに保有するTavittcoinを、EthereumとWavesの両プラットフォーム間での自由な移動を行えるようにした。

ウォレットは、仮想通貨の保有に必要だ。Webウォレット、ソフトウェアウォレット、ハードウェアウォレットがあり、アカウントアドレスや秘密鍵、パスワードやバックアップ用のseedなどを使って利用する。

Ethereumの特徴は、スマートコントラクトによる決済だ。Wavesには、DEX(Decentralized Exchange)と呼ばれる、分散型仮想通貨取引所の機能がある。仮想通貨取引で一般的なCoincheckやbitFlyerは、中央集権取引所と呼ばれる。中央管理システムのハッキングに弱く、破綻リスクもある。DEXでは、市場取引もWavesのブロックチェーンの機能として組み込まれている。特定の企業が管理する取引所を必要としない。通貨を取引所へ預けることがないので、破綻リスクがない。また、取引所のマージンとなる買いと売りレート差(スプレッド)も存在しない。

実際にTavittcoinを購入するには、まずビットフライヤー、Zaif 等の取引所で口座を開設し、ビットコイン(BTC) またはイーサリアム(ETH)を購入する。
Tavittが保有するWavesのウォレットにビットコイン(BTC)またはイーサリアム(ETH)を送金。GoogleChromeの拡張機能から、自分のWavesウォレットを作成。Tavittのフォームに必要事項を入力して申し込むと、Wavesのアドレスに Tavittcoin(TVC)が送付される。

テクノロジーの発達が、旅行や投資の自由度を高める

今回紹介したTavittを展開する企業は、タイのバンコクに設立されており、仮想通貨の技術を利用し、ICOでサービス拡充の資金を、世界中から集めようとしている。

そのTavittのサービスも、世界各地の観光スポットを10ヶ所まで指定し、最適の巡回ルートを提案し、時間と予算の計算の行うというもので、IT化・グローバル化を感じさせるものだ。

現実となった旅行や投資のグローバルな自由を感じるには、最新の旅行検索サービスや仮想通貨を介したトークンの購入などを試してみてもがいいのかもしれない。

img: Tavitt , Tavittホワイトペーパー , PR TIMES