もはや1つの会社に定年までいるという時代は終わりを告げ、転職活動は盛んになり、さらにはフリーランスなどの自由な働き方が認められてきている。

そんな変化の中で登場したのがクラウドソーシングだ。気軽な記事制作などの依頼から、開発などの業務としてヘビーなものまでを個人に依頼することもできる。

受注者は全員がプロというわけではないため、使い所によって賛否はあるものの、Webだからこそできる画期的なビジネス手段だとはいえるだろう。

我々は日本人であるため、クラウドソーシングによる業務の発注先は当然、日本人が主になる。しかし、これが外国人も活用できるとしたらどうだろう。

Guidable株式会社は、日本で暮らす外国人に特化したクラウドソーシングサービス「Guidable Crew」の提供を開始した。

ネットで在留外国人に業務を発注できる

近年、大規模スポーツイベントや地方創生など、政府のインバウンド拡大施策によって、外国人が日本に訪れる機会が爆発的に増えている。

観光庁によると、2017年の訪日外国人は過去最高の2,869万人と前年比で19.3%増を記録した。2020年の4,000万人目標へ向けてインバウンド需要は今後もさらに拡大する見込みだ。

こうした環境から、企業は外国人への対応が求められるが、外国語を扱える日本人の人材不足や外国人目線での意見を取り入れる方法がないといった課題があった。

Guidable Crewは、インターネットで在留外国人に業務を発注できるクラウドソーシングサービス。このサービスを利用することで、「外国人に頼みたいけど頼めなかった」という業務を簡単に発注できる。

サービス開始当初は、ソーシング先となる依頼者の選定サポートを同社が無償で実施することで、クラウドソーシングで生じる「クオリティの低さ」や「業務の不履行」といった不安も取り除くという。

外国人への発注ニーズが高いカテゴリに業務を発注可能

このサービスでは、「イベント」「マーケティング協力」「通訳/翻訳」「その他」の4カテゴリを用意。外国人への発注ニーズが高いカテゴリに絞って、単発・短期の業務を発注可能だ。

たとえば「マーケティング協力」では、在留外国人に対して訪日観光ツアーや、外国人向け新商品のモニターを依頼でき、外国人目線の意見を取り入れることで、自社サービスのクオリティ向上に役立つことが出来るとしている。

Guidableはこれまで、在留外国人特化型サービスを複数展開しており、3,000人以上の在留外国人登録者を抱えているという。Guidable Crewは、そうした豊富なデータベースを活かしたもので、日本企業の外国人活用サポートと同時に、“外国人の日本暮らし”のサポートを目指す。

学生特化型や配送クラウドソーシングアプリも登場

さまざまな分野で盛り上がりを見せるクラウドソーシングサービスだが、中にはユニークなものも登場している。

たとえば、学生に特化したクラウドソーシングプラットフォーム「ikkai」がある。これは、学生のアルバイト、インターンシップ、新卒採用のチャネルを1つに統合し、学生の採用がすべてワンストップで完結するオンラインプラットフォームだ。

さらに、ikkaiでは中長期に渡る就労体験型のインターンシップ専門の案件を紹介している。学生の能力や関心、性格といったデータから、マーケットプレイスやインターンシップで学生がどのような活動をしてきたのか、また活動に対する評価データを収集、分析した採用支援を行っている。

また、配送クラウドソーシングアプリも登場している。株式会社セルートが開発した「DIAq(ダイヤク)」は、自転車で通学する学生や買い物に行く主婦、個人事業主のプロドライバー、バイク便ライダー、自転車便のプロメッセンジャーなどの「空き時間」を使って荷物を運ぶプラットフォームアプリだ。

一般人が運送者となるためには事前の審査が必要だ。DIAqアプリをダウンロードして、必要事項を入力し、本人確認書類を送る。その後、2~3日程度で運送者としての登録が完了するというもの。

運送者がアプリにログインすると、現在位置情報を基に、近くにいるユーザーの画面上に「オファー可能な運送者」として表示される。運送者は、届いたオファーの中から条件に合う案件を選び、仕事を請けるか判断するのだ。

グローバル化を推し進める新しいサービス

近年、さまざまな分野でグローバル化が進んでいる。これにつれてビジネスには、外国人目線や外国の意見を取り入れ、海外もターゲットに入れた展開も必要になってくる。

在留外国人はある程度、日本語ができる人は多いだろう。しかし、ビジネスでの活用となると、やはり細かいニュアンスが伝わらなかったりと意思の疎通が不安になる。

Guidableはそこに目を付けた新しいサービスと言える。果たして、Guidableはビジネスのグルーバル化をどこまで推し進められるか、期待したい。

img: PR TIMES , ikkai