コインランドリーは、昭和46年~50年頃の高度成長期の時代に登場した。当時は、銭湯やクリーニング店に併設され、洗濯機を持たない単身者や学生をターゲットとしたものだった。

現在では、洗濯機がない家はないというほどに普及し、コインランドリーの利用人口は減少しているのではないか、という印象を持っている人も多いのではないだろうか。コインランドリーのイメージも当時のままで、更新されていないかもしれない。

しかし、その店舗数は年々増加する傾向にあり、さまざまな付加価値を持ったコインランドリーの形態を見ることができる。

待ち時間に「カフェ」、そんな付加価値を加えた「新しいコインランドリー」の登場

現在増えているのは、待ち時間を有効に過ごすための施設を併設したコインランドリーだ。

ドイツ生まれのコインランドリーである、「フレディ レック・ウォッシュサロン トーキョー」では、店内にカフェスペースを設け、個性的な壁紙やオブジェやクラシック音楽を流し、居心地のいい空間づくりをしている。地元コミュニティのサロンとしての役割をもたせたいという考えだ。

学芸大内にある店舗では、カフェを併設し、アイロンがけのワークショップやミニライブをおこなったりもしている。

パブリックスペースのあるマンションを提案する「ソーシャルアパートメント」は、外部の人でも利用できるコインランドリーを設置し、「ワールドネイバーズカフェ」が併設さている。外国人観光客の利用も見込んでいるようだ。

“待ち時間”に眠るビジネスチャンス。コインランドリーは「洗濯」以外に手を伸ばす

だが、待ち時間の過ごし方に付加価値を加えるのは、カフェだけではないようだ。

コンビニの「ファミリーマート」が、コインランドリーサービス事業を展開

2017年11月24日、株式会社ファミリーマートは、共働き世帯や単身世帯の増加など社会構造の変化を背景に、高まる家事への負担軽減に向けた取り組みとして、コインランドリーサービスの展開を開始する、と発表した。

日中に洗濯ができない人、週末にまとめて洗濯をする人、都市部の洗濯物を干すことができないタワーマンションの住人などからの需要拡大を見込む。インバウンドの増加から、長期に滞在する訪日外国人の洗濯需要も背景にあると考えられる。

ファミリーマートはアクア株式会社と提携し、コンビニエンスストアとコインランドリーを融合させ、店内を自由に行き来できる構造にするなど、双方の利便性を兼ね備えた「次世代のコインランドリーサービス」を開発・展開する考えだ。

サービスの提供は24時間を予定。全国約5,800店にイートインスペースを設置していることから、待ち時間の利用を想定していると思われる。

これもまた、コインランドリーに新たな価値を付け加える動きだ。

コンビニやカフェとの併設が、待ち時間に付加価値を与えその存在価値を「リプレイス」する

古いものと認識され、関心が薄れがちだったコインランドリーが、コンビニやカフェと併設することで、待ち時間をおしゃれに便利に過ごす場所になったり、地域のコミュニティサロンの役割となるなど、新しい付加価値を加えることで、再び関心を集めようとしている。

コインランドリーがもつ、羽毛布団やスニーカーを洗える、などの高い性能も再発見される可能性もある。

待ち時間や隙間時間に何をするか。その待ち時間を、すでに生活インフラとして根付くコンビニへと組みこむ。それによって、関心の薄れがちだったコインランドリーが新しい体験として再発見される。

こうした手法で、古いイメージを持たれているが、付加価値や他サービスとのシナジーによってその価値がリプレイスできるビジネスが、今まで以上に注目されるかもしれない。

img : wikipedia , Shutterstock